エウゲニ・オネーギン 公演情報 新国立劇場「エウゲニ・オネーギン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    同じオペラを何度も見ていると、毎回発見がある。音楽的には1幕の序奏冒頭の下降旋律のモチーフが、タチヤーナ「手紙の歌」にしろ、レンスキーのアリアにしろ、旋律の大元になって、全体のトーンを統一している。こうしたメロディーの使い方は、豊かで美しい旋律家のチャイコフスキーの真骨頂。

    物語的に今回は、2幕でレンスキーをからかったオネーギンのニヒルさ、冷たさが印象的だった。レンスキーの短気より、しつこく嫌がらせして決闘に追い込んだオネーギンの責任を感じさせた。最後第3幕の、タチヤーナのオネーギンとの別れの歌の切実さも以前よりよくわかった。前は「愛しています」といいながら、道徳に縛られて決断できないでいるだけのようだったが、今回みて、やはり取り戻せない過去があるという人生の不可逆性、辛さを感じた。毅然として人生を歩むタチヤーナの決断に対し、余計者オネーギンの甘えと優柔不断の対比があった。

    ネタバレBOX

    体調のせいか、一番の聞き所のはずの「手紙の歌」でウトウトしてしまった。なんたる不覚。家に帰ってMETの録画で聴き直したが、この曲は有名なクライマックスに来るまでが長い。全体12分のうち、うじうじ迷う前振りが8、9分。それで眠気が催したとわかった。

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    2019/10/18 09:37

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