満足度★★★★
明治生まれでおしゃべりな祖母でも大正天皇のことになると言葉に詰まった。戦後しばらく経っていてもである。彼女にとっては成人前のことであるし、昭和天皇の登場でタブーになったのでもあろう。私も子ども心に、言ってはいけない病気で亡くなられたのだと察するだけだった。
この舞台では大正天皇に対比させて昭和天皇を好戦的に描いている。しかし昭和天皇の即位の場面で締めくくったのは、大正天皇の物語としては蛇足に思えた。まあ暗転して拍手をしようとしたらまだ続いたのでちょっとイラッときたということなのだが。
松本紀保さんのナレーションに促されてお話は進行してゆく。皇后がこんなに政治に関わるとは想像できないし、登場時間が長すぎるので、皇后のセリフを減らした方がしっくりきた気がする。もちろん彼女の発声、抑揚、立ち居振る舞いは見事なものであった。