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ヘニーデ
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クチコミとコメント
公演情報
AURYN「
ヘニーデ
」の観てきた!クチコミとコメント
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つの(29)
満足度
★★★★★
鑑賞日
2019/09/15 (日) 14:00
ネタバレしかないのでネタバレBOXにて。
ネタバレBOX
超能力とかが出てくる話だとは思っていなかったので、
面食らったが、何となくX-MENを思い出しながら見ていた。
あれは異能を持つ者がもっと当たり前にいる世界だから、
環境は違うけれど、異能を持つ者、持たざる者との壁が
描かれている点では似た部分があるかもしれない。
町田、瀬名が超能力者であるということが発覚し、
各々の思いが剥き出しになるシーンは見ていて辛くもなるが、
これが現実だろうなと言う思いも。
超能力者の存在でブーストされてはいるものの、物語の本質としては、
「自分にはないものをどう捉え、どう扱うか」と言うことの様に思えた。
彼らの言い分は賛否はともかくとして、納得も理解も出来るものであり、
だからこそ、胸が痛む。
結局の所「ないものねだり」なんだろうと思う。
自分が持たない「力」について、どう落とし所を作るのか。
象徴的に感じたのは、菅生、汐田、川本が才能について語り合うシーン。
努力で越えられないものは無いと、半ば呪縛のように信じる川本と、
天才は確実に存在すると言う立場の菅生、そして人智を越えた力の
存在を徹底的に否定するリアリストの汐田。
彼らは持たざる力について、どちらかというと妬みに似た、ネガティブ
な捉え方をするが、鳥丸と埴谷が恋愛について語り合う場面では、
鳥丸は、自分にない力(というか個性)を持つ埴谷に純粋な
羨望を抱く。
個人的には、この二つのシーンが非常に印象的だった。
川本という男の頑固さは、いかがなものかと思うが、彼の努力というものに
対するひたむきさと、才能なんてないと言い切るその強さは、
例えそれが強がりであったとしても、私にとってはとても眩しく、
尊敬の対象ですらある。
一方で、対極的な位置にある鳥丸の、自身の人生と存在を平凡かつ
つまらないと言いつつも、彼女なりに人生を楽しもうとする姿勢は
痛快であり、二人の個性が光る素晴らしいシーンだったと思う。
ちょっとずるいくらいにおいしいところを攫っていったなと
思うのが蓬沢。
象徴的な出来の悪いYouTuberかと思いきや、終盤、川本に対して、
「自分は自分にしかなれない」と言い切ってみたり、瀬名に対して、
その力を羨むどころか、その力ゆえの苦悩をある意味、町田よりも
察して見せた。
瀬名を前にして、あっさりと自身の心の内を見せるところなども、
小渕には及ばないものの、器の大きさを垣間見た。個人的には
ちょっとかっこよくて悔しい(笑)。
それ以降、終盤は見せ場たっぷりだったが、鳥丸と瀬名の氷解、
そして、鳥丸と虎尾の対決は見ていて気持ちが良いくらいに清々しく、
そして痛快だった。
汐田、川本にとっては、いささかすっきりとしない終幕だったかも
しれない。
けれど、瀬名の告白をきっかけに、未知のものに対して、様々な
アプローチの方法があることを目の当たりにした彼らの今後に、
少なからぬ影響を与える機会にはなるんだろうなと思う。
外から見ている私自身も、考えさせられる部分は多かったが、
蓬沢の意見が一番しっくりと腑に落ちてきたかなという気はする。
悔しいけど(笑)。
役者の皆さんも素晴らしかった。
今回は2列目で観劇という恵まれた環境であったので、皆様の
演技も間近で拝見することができたが、その表情の微妙な変化
も含めて、非常に見ごたえがあった。
今回は小学生のような感想ながら、ちょっとだけ何人かの役者様には
ご挨拶させて頂いた。
「知り合いよりも、初めてのお客さんの挨拶の方が役者さんも嬉しいと思う」
と背中を押してくれた観劇三昧、下北沢店のスタッフ様に感謝。
素晴らしい舞台をありがとうございました。
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2019/09/16 21:34
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