暴力先輩 公演情報 NICE STALKER「暴力先輩」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    前回同じスズナリで観た劇団とは観劇前日まで気づかず(脳味噌溶解)。もっとも気づいたとて予習材料にはならず、白紙の心で劇場へ入ると、ふわっと明るい書割りが目に入り、肩の力が抜ける。
    芝居の方も、客席対応の女優の前説から、照明変化後も客席対応の女性(最終的に主役)が客席に向って「開演しました」と、敷居の低さ。
    冒頭の女性があるファストフードで「先輩」と対峙している。説明は、ない。だが明らかに何らかのモンダイがある、その問題の「解決のため」として、幾つかのエピソードが紹介される(ドラマパート)。媒介として「みしゃむーそ」が登場、儀式のように繰り返される「型」は芝居の見方をやさしく提示、型の反復は笑いに繋げやすくもあり、ある種のノリ(いささか珍妙だが)を持つが、回想式に描かれる一見戯画的なエピソードが意外に見入らせた。現代日本を酸味たっぷりに切り取った「あるある」を味わった。

    ネタバレBOX

    「現実」のモンダイは終盤詳述され、心に闇の破滅指向の男を、救い出さなければ芝居は終われないとばかりの展開に作者の苦労がしのばれたが、「逸話」が持つの深さに比して現実の「解決」の流れは浅く、恐らく作者も納得できるラストでなかったのではないか。「こういうのでないと観客は付いてこない」と自嘲的な台詞も。
    女優の類似キャラがエピソードごとに反復される言動で強調され、しっかり笑いを起していた。

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    2019/09/13 07:39

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