リハーサルのあとで 公演情報 地人会新社「リハーサルのあとで」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とにかく徹底的に緻密に作られた舞台。戯曲も、演技も、照明も。特に人物のコントラストをつけ、その心情を反映した照明が巧みで印象的だった。老いた演出家と若い女優の楽屋裏での対話。さらに、若い女優と入れ替わるようにして、死んだ往年の名女優にしてアルコール依存症の、その娘の母親が現れて、演出家と演劇と過去の関係を語り合う。幻なのか、過去の回想なのか。

    三人の関係も、もしかしたら若い女優は演出家の娘なのかと思わせるセリフも一箇所あるが、ほのめかしただけで、他は他人として貫かれる。事実や現実は宙ぶらりんにされて、心象の中の真実の中で皆生きる。それでも観念的ではなく、大変リアルな土台のある世界がそこにある。演劇論を語る舞台でもある、人生を、若さと老いを、夢と挫折を、愛と別離を語ってもいる。

    とにかく一つも無駄な釘のない緊密さに驚いた。栗山民也演出の傑作ではないかと思う。

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    2019/09/10 12:11

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