ストアハウスコレクション・フィジカルシアター週間 公演情報 ストアハウス「ストアハウスコレクション・フィジカルシアター週間」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    身体表現による語りかけは、国の伝統・文化、国政等の状況によって異なる。当たり前のようだが、台詞のない公演の中で主張したいことをしっかり伝えることは難しい。
    日本とタイの舞踊表現は、見た目だけでもその違いは分かる。表層的には、日本の舞踊は躍動的、タイの舞踊は動静的であるが、どちらのダンサーも身体能力は高いと思う。抽象的とも言える身体表現で何を訴えているのか、自分なりの想像を働かせる。そこに舞踊公演の面白さ真骨頂があると思う。
    ストアハウスカンパニー1時間、B-Floor1時間10分 途中休憩15分
    【ストアハウスカンパニー/B-Floor】

    ネタバレBOX

    【上演順】
    ●ストアハウスカンパニー(日本)
    舞台所狭しに衣服が散らばっている。演者の女3人・男1人が舞台上を歩き回りながら、来ている服を脱ぎ、散らばっている服を着ては脱ぎの繰り返し。そのうち、散らばっていた衣服が中央に集められ無造作に積み上げられていく。そして再び元のように散らばっていく。演技は膝高く大股で快活に歩く。その姿は躍動感に溢れ力強くもある。ラスト近くには服を持ち、投げるようにして自身も前のめりに倒れる。

    舞台技術の音楽は軽快なPOP調、照明は動き回ることから暖色斜光することで役者の姿を捕捉している。一連の動作は、時間の経過と日常における人の喜怒哀楽が感じられる。動き回るのは時の流れであり、生を思わせる。衣服の着脱は情況変化、特に苛立ち。転げ回る姿に微妙な違いがあり、それは嘆き悲しみであり、喜び笑い転げの表現違い。最後の前のめりの動作は未来志向のように思える。

    ●B-Floor(タイ)
    素舞台、演者の男2人・女1人がそれぞれ角材を持ってポーズを作る。動きは静止、活動といった対照的なものであり、それに合わせて照明も違う。静止姿は垂直の白色照射、活動姿は斜光の暖色照射で印象付けをする。音楽は少なく、どちらかと言えばゲップのような擬声音。ラスト近くは立ったまま小刻みに痙攣するかのような動き、そしてクールダウンするようにゆっくりと動き回る。

    身近な活動を描いているようだが、時に怖い一面も垣間見える。仰臥している時、横向きになったりするのは自分の意思か、他者の力がはたらいているのか。途中で黄金服を着た者が登場したことから、何となく抑圧されたイメージを持つ。それは偶像、化身もしくは権力的なものを表現しているのだろうか。抑圧・閉塞や自由・解放、それは社会的なことであり自分自身の自己変革を思わせるような不思議な世界観を創出している。

    基本的には身体表現のみ(一部 B-Floor公演では字幕や短い台詞あり)で、そこから受け取る思いは、観客1人ひとり違うだろう。作・演出家の伝えたいことが十分理解できなくとも、観た身体表現の素晴らしさは共感できるだろう。この舞踊を自分の想像力を膨らませて自由に解釈できるところに、この公演の魅力があると思う。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2019/09/01 20:26

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