満足度★★★
韓国映画『金子文子と朴烈』から金子文子に興味を持った。日本側から彼女をどう描くのか?パク・ヨル(パキョル)も金子文子も実際何もしていない。国家権力の横暴な取り調べに激昂して、天皇若しくは皇太子暗殺計画の構想を語っただけ。反抗的な態度から死刑判決を受けた。あの時代に圧倒的な力を前に死の脅しにも屈せず、自ら獄死した23歳の女性。人類を平等にする為にはあらゆる価値観の徹底的な破壊しかない、とうそぶく。まさにPUNK ROCK、金子文子役水嶋カンナさんが吠えに吠える。戸籍も学もなく、本能だけを頼りに思想家に辿り着いたある種の天才。パク・ヨル役はいわいのふ健氏。何をやらせても、らしく見える。大正のSID AND NANCYの物語。水嶋カンナさんが唄う劇中歌が素晴らしかった。今こういうジャンルを堂々とやれるのが小劇場の強味。