本当の旅 公演情報 劇団、本谷有希子「本当の旅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    原作自体、本谷さんらしいイヤ〜な内容で好きだったので、どんなお芝居になっているのか楽しみだったけど、一層イヤらし成分マシマシになってた。
    役者さんの身振りにほんのりチェルフィッチュぽさを感じつつ、一人の役を複数の役者が演じるところにゆうめい「あか」を思い出したり、モノローグの場面では小田尚稔の演劇などを思い出したり。最近の小劇場のトレンドなども押さえつつ、本谷さんらしいポップさと毒が混ざった感じ。

    ネタバレBOX

    一人の役を複数の役者が演じることで、演じられた人格が幾重にも拡張されたような感じになり、その拡張が観客をも捕らえ、観る側に「あなただって彼らと同じなんじゃないの?」とデカめのクエスチョンを容赦なく突きつけてくる。対面式の客席にも「舞台上の人物もそれを見ている客も同じ様なもんじゃないの?」みたいな本谷さんの意地悪な意図のようなものを感じて嬉しくもあり腹立たしくもあり。

    また、舞台自体が、いつもなら階段があるところの上部に木製のパネルでこしらえているので、上演中に底が抜けたり割れたりしたら…と考えるとゾッとした。「彼らの行為は全て砂上の楼閣」だと舞台の構造からも訴えていたのだろうか?それなら凄いな・・。

    公演終了後、受付付近でお芝居に出てきたカツドックを役者さん方が笑顔で売られていたけど、これを喜んで食べること自体が演劇の虚構にとらわれてしまうんじゃないか・・と疑心暗鬼になり、流石に食べる気にはならなかった。また、お洒落なVACANTでやった事すら悪意あるんじゃないかと勘ぐってしまう。

    ・・と、ネガティブなことばかり書いたようだけど、久しぶりに悪意全開の本谷さんのお芝居が観れたのは、とてもうれしかった!

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    2019/08/14 14:14

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