苛々する大人の絵本(公演終了) 公演情報 庭劇団ペニノ「苛々する大人の絵本(公演終了)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    空間を共有できた
    アトリエ「はこぶね」のあるマンションが取り壊されるのが伸びたため今年も上演されることになった作品。
    去年も見ていたのだけど、あまりに面白かったので今年は友人を連れて。
    体調が悪くて熱があったのだけど、無理して見てきました。

    狭いアトリエにぎゅうぎゅうに詰められた客席。
    30名も入ってるかどうかくらい。

    舞台の幕が開くと、そこに広がる童話のような世界が楽しい!
    演劇に物語を期待する方は見ないほうが良いし、シモネタが駄目な方も見ない方が良いです。
    逆に言うとそれらが大丈夫ならぜひお勧めです!

    ネタバレBOX

    「粉吹いちゃってるね・・・」と言っては天井から突き刺さった巨木をいじりまわす歯茎の出た黒装束の女性(妖怪?)と、地面から突き出た元気な巨木から出る白い液体をポテトサラダのようなものにかけて食べる豚の鼻の女性。

    一段高くなった舞台で、白に統一された部屋の左と右の壁それぞれに扉があって、その不思議な女性二人が出たり入ったり、食事をしたり、話をしたり。

    「私ボート屋やろうと思ってるんだ・・・」等と同じセリフを何度も繰り返すけど、セリフに特に意味があるわけでもなく、物語があるわけでもない。
    でも、この不思議な怖い童話のような世界と下世話なシモネタ満載の舞台から目が離せない!

    途中で舞台が一段高くなっていた理由がわかります。
    舞台の下にも舞台があって、ガリバーのように縛られて地面に寝かされた学生服の男性。
    上の舞台の地面から突き出た巨木は、その男性のちょうど股間の位置から生えてます。
    そして、どうやら受験生で勉強をしていたらしいこの男性の独白が延々続くのだけど、頭が悪いのでは?と思うくらい明るいというかバカっぽいというか・・・。

    そして、舞台上ではまた二匹の女性が活動を始めると、地面の下に男がいることに気づきます。

    男性が舞台上に上がってきて、歯茎を「妹」、豚を「母」と言って「食事を作ってくれ」と言い勉強をはじめます。
    この男性が歯茎の女性を見て「可愛いな・・・」というのがおかしい!

    会話も話もチグハグなやりとりが続いて、話も何もまとまりがないままに終わります。


    この舞台上に作り出された世界そのものを味わい楽しむ。
    そんな舞台です。
    ひとつひとつのネタは面白くって、クスクス笑ってしまいます。

    舞台美術が秀逸なのですが、照明の使い方が美しすぎ。
    朝、昼、夜。
    暗い小さい部屋の中なのに、それぞれをきっちりと描き分けているのは照明の力が大きいと感じました。

    ライトだけでなく、蝋燭の明りや電灯など、それぞれが美しく世界を照らしてます。

    決して子供には見せたくない、バカバカしい大人のための童話の世界。
    来年もまだこのマンションが残っていたら再演してほしいものです。

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    2009/04/14 03:09

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