ねずみの亡骸を抱いた猫 公演情報 フェルフェン「ねずみの亡骸を抱いた猫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    少年と少女の逃避行。
    本編とファンタジーの世界(猫とネズミのオリジナル童話)がリンクして世界観がグッと拡がっていきます。
    「母親殺し」「失踪した父親」「過去から逃げる少年」「詐欺や盗みを生業とする少女」「やさぐれたジャーナリスト」
    親から、そして世間から見捨てられた孤独感溢れるストーリーである一方、冒険者の様なワクワク感も・・・そのワクワク感が哀しみをより引き立ててもいるのだけれど。

    観る側に寄り添った芝居・演出と言えば良いのか、少々荒削りな部分も感じましたが淀みなく引き込まれました。
    当日パンフを読むと作者さん自身を投影した作品でもあるような記述があり、それを踏まえると更に感慨深い思いが。
    創作者というのは不幸を知っている者の方が、より琴線に触れる物語を紡ぐ事ができるのかも と思えたりします。

    ネタバレBOX

    現在と過去、様々な流れがひとつに収束していこうとする瞬間「ヤバい、これは泣いてしまうかも」と覚悟を決めるも、怒涛のラスト。ちょっと作り込みすぎ感が邪魔してスタンバっていた涙が無情にも引っ込んでいって・・・あぁなんか口惜しい
    収束力とは中々難しいものではありますが、これだけプロットが絡み合ったストーリー構成であっても分かりやすく引き込んでいく力量は素晴らしかったと思います。
    残酷だけれど優しくて、優しいけれど残酷。
    救われた様な、いや結局救われなかった様な複雑な後味。

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    2019/07/24 01:07

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