満足度★★★★
足が悪く内気な姉と、それを気に病む母、家を出て行きたい弟。母に頼まれて、弟は同僚の男を夕食に誘う。身の丈以上のおもてなしに見栄をはる母は滑稽だが可愛い。その男は、姉の高校時代の憧れの人だった。夢のような一夜が、ガラスの動物園のように輝いた後、何も変わらない朝が来る。夢を見た後だけに、その朝の変わらなさはは一層つらい。一度だけでも夢を見られて良かったのか、夢など見ない方が良かったのか。作者が精神病の姉への贖罪意識から書いたと言われる作品。見終わって何かスッキリすることは何もない。いつまでも頭の片隅にこの劇の問いが引っかかっている。
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2019/07/23 16:36
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