満足度★★★★★
「朝をつれてこい」
大阪のノリから始まって楽しく物語に引き込まれて
いつしか晴天から曇天に
ドラマには曇りが必要だし、人生にも曇りはある
人生があって役者がいて作家がいる
本当に現実にいるのは誰なのか?
なぜ僕らはいないものを求めるのか
虚構を見て見上げたら現実があった
とても演劇的な作品なのだけど、主人公の作家という役割が、現実と演劇が重なっていく世界を俯瞰して観客に視点を与えてきて
やがてその視点は僕らに、自らの現実以上の虚構をなぜ求めるのか問いを与える
現実ではない人々と出来事、それを観て起こる感情のギャップが答え
「遠くまで来たんだ」
第27班以外でこんな素晴らしい群像劇をやるところがあるなんて…
とにかく人と人の間に流れる言葉の交わい方の良さ
選び方がフィルターのかけ方が天才的で
たぶん作品の源、P点からしっかりと伸ばされた言葉だから
統一感と受け取った時の愉しい感情が生まれるのだと思う
劇団晴天「遠くまで来たんだ」
きずきさん演じるまもりの状況が
過去の自分や過去の誰かと重なって
とにかく呼吸が乱された
それでもまもりの表情の変化に救われた気になった
僕も旅が好きで、旅に何度も救われて、作品も僕を掬い上げてるようで
久々にこれは僕の作品だといえるような好きな作品