満足度★★★
リオフェスも終盤、今年は無念にも吉野翼企画も見逃し、この一本のみであった。
終演後「これから準備が出来次第××を始めます」と案内があり、見ているとブルーシートや、岸田理生の遺影が持ち込まれ、どうやら始まるのは慰霊祭らしい(後で調べれば「水妖忌」と言い、命日の6/28に行なわれるそう)。
故人の死は2003年。リオフェス(岸田理生アバンギャルドフェスティバル)は2007年に始まり今年第13回。数年前アゴラでの観劇をきっかけに作品と作家を知りフェスの他会場にもたまに足を運んだが、参加パフォーマンスは傾向というか部類というか、ある共通項がある。その印象は今回のパフォーマンスにも合致したが、意外な事にこの集団は「寺山作品などずっとやってきたが身体パフォーマンスは初挑戦」だという。北海道を拠点に、背負った劇団名である。
劇団サイトには「踊りたい人募集」的な文字があり、「初挑戦」と考え合わせ、どういう踊り手との出会いがあったんだろう・・等と想像する。「コンテンポラリー演劇」といういささか長閑な命名の実態は、要は「踊りと芝居」の融合な訳だった。私流に解釈すれば、劇団としての新領域への挑戦は、時代を遡っての追体験という事になっているのではないか・・。もし当たっているなら、望むのは一つ「新領域を作り出して欲しい」。