ピロートーキングブルース 公演情報 FUKAIPRODUCE羽衣「ピロートーキングブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


    歌と芝居とダンスを一つの舞台にしたショーは90年代は大いに流行ったものだが、この「妙―ジカル」はその流れだ。
    FUKAIPRODUCEで糸井幸之助の作・演出・作曲、初の本多劇場進出を見に行った。
    舞台は砂浜。壊れた機械の歯車が半ば砂に埋もれている。歯車は時にゆっくり回ったりする。ベッドが二つ。タイトル通り、ベッドの上の男女のピロー・トークで進む。
    馴染みのコールガールともてないデブ男。
    ファミレスの店長と亭主もちの客席掛の女。若い店員。店長は失踪し、女も同行する。
    燕尾服にシルクハットの男女のタップダンサー
    仲を取り持つラブホテルの蚊。
    12名の出演者がそれぞれに役を持っていながら、台詞も歌も群舞も斉唱も演じる。
    青春の終わり。男女の寝物語にもダレがみえはじめるころ。何となくユルイ感じなのだが、ときに、時代感を鋭く出す。俳優たちも今様に楽しげに演じている。群舞などは、振り付けや衣装もよく考えられていて、稽古もよく出来ている。投げやり、無気力に見える若い世代のホントはつらい真情を同じ世代として良く表現している。
    この公演を見に行ったのは、木下歌舞伎がこの糸井幸之助をしきりに起用するので、なぜだろうと、本業のステージを見に行ったのだ。勧進帳のラップなど、なるほどそういう狙いだったかと、分かった。曲も歌詞も、一つ一つを取り上げるよりも、全体として一つの世界観に収斂していくところが、きっと演劇側からは歓迎されるのだろう。
    単独のショーとしても面白い。本多劇場で満席だったが、招待客も随分いたから実力のほどはよくわからない。青春回顧の甘い一夜だった。歌詞ではないが「楽しい時間をありがとう、不意に動いた心が静かに止まってしまうまで」


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    2019/06/22 11:32

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