満足度★★★
ドイツの作曲家エンゲルベルト・フンパーディンクの作曲した1893年のオペラである。
日本語上演のはずなのに舞台の両側の電光掲示板に歌詞が表示されるのは何故と思っていたら、あの発声法では歌詞がほとんど聞き取れないのだった。普通のJ-POPでも部分的に分からないことは頻繁にあるがそんなものではない。低い男声は分かるが、女声はほとんど全滅である。そこにオーケストラの演奏がかぶってくるのである。これならイタリア語でもドイツ語でも同じことだと合点した。
グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」はいろいろなバージョンがあるが、このオペラ版はその中でもハッピーな方向に振り切ったものだ。「両親に森に捨てられる」話を親子で観に行くわけにもいかないから妥当なものである。しかし、パンくずの件もないのでどこにも特徴のないストーリーになってしまっている。
親子、知り合い、親戚がまとまって来るものなのだろう。年寄りが一人で観に行くものではないことはよく分かった。