北齋漫畫 公演情報 東京グローブ座「北齋漫畫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/06/12 (水) 14:00

    座席1階

    葛飾北斎の一代記。演出の青年座、宮田慶子が関ジャニの横山裕を選んで臨んだとパンフレットに書いてあった。なかなかこの演目に挑戦できなかったのは初演へのリスペクトだそうだが、初演時の緒形拳の舞台はどうだったのか。客席を埋めた女性たちはたぶん、横山の舞台を楽しみに来た人だったと見られるが、今回は主演よりも脇を固めたメンバーの熱演が光った。
    その筆頭は謎めいた女を演じたサトエリだ。その存在感は主役をしのいでいた。もっと彼女の艶かしさを前面に出して演出してほしかったが、ほとんどが女性客という状況を考えるとこんな程度で仕方ないのか。男たちをかどわす仕草、エロスがもっとストレートに出たら、さらにサトエリのよさが際立ったはず。
    北斎の娘役の堺小春はよかった。北斎の娘も相当な腕前の絵師だったそうだが、そんな場面もあるとよかった。渡辺いっけいは幽霊役も含め、舞台「おもろい女」で見せてくれた軽快なユーモアを今回も存分に発揮し、ベテランらしく舞台を引っ張った。
    長丁場の舞台で、休憩前の前半はテンポよくおもしろかったが、後半はいきなり二人の幽霊が舞台回しを務め、北斎90年の人生をあっという間に巻いてしまったのにはのけぞった。富士山の美しさを極限まで描いた富嶽三十六景など、名作を描く北斎の姿を見たかった。第二幕は晩年の北斎の姿が中心になっているが、あまりにも時が飛びすぎていて消化不良が残る。
    先人のコメントにもあるように、横山裕にはやや荷が重かったかな、という感じだ。

    ネタバレBOX

    滝沢馬琴の妻を演じた枝元萌は、第二幕の冒頭、いきなり幽霊となって登場する。渡辺いっけいとの息の合ったところがよかった。

    0

    2019/06/12 20:23

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大