レ・ミゼラブル 公演情報 東宝「レ・ミゼラブル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「5/21 13:00 の回を観劇」

    一昨年に初めて観て、今回2度目でも感じたのは、予備知識なしでは
    (1)大河ドラマを超特急で進めて行くので何も味わう余裕がない。
    ことです。あらかじめ、以下のどれかで準備をしておく必要があると思います。

    (A)原作を読む。
    (B)2007年のアニメ『レ・ミゼラブル 少女コゼット』を見る。30分の全52話。
    (C)ヒュー・ジャックマンとラッセル・クロウの2012年のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』を見る。ブルーレイで約1,000円。アマゾン・プライム・ビデオにもある。

    現在の熱狂的なファンの多くは(B)を見たのでしょう。これだけ長尺のものなら細かい人情の機微も十分に描かれていて感情移入もできたことでしょう。コゼットに特に人気があるのも分かります。(C)は舞台よりもはるかに深く感情の往来が描かれています。

    もっとも歌が馴染みやすい名曲揃いなのでストーリーがよく分からなくても
    ・ミュージック・ビデオ集だと捉える
    ことで楽しめるかもしれません。

    また、かなり多くの人に問題となるのは
    (2)セリフがすべて歌の完全ミュージカルである。
    ことです。(C)の映画も同じくすべて歌なのでそれを観て相性を試すことができます。相性が悪ければひとまずは諦めましょう。長い人生、ある日すっと入り込んでくる時が来ることでしょう(私がそうでした)。

    ストーリーの伝達という点ではミュージカルだということを考慮に入れても高々星3つでしょう。歌は豊富な稽古量をうかがわせる安定して重厚なもので素晴らしい高揚感を味わうことができました。こちらは星5つです。

    ネタバレBOX

    主要登場人物の関係メモ

    ・ジャン・バルジャンとジャベール警部
     定番の逃亡者と追跡者の関係。もっともバルジャンは無実ではなく法的には完全な有罪です。とは言っても、幼い甥姪のために一切れのパンを盗んだだけでした。それは5年の刑でしたが、脱走したため14年がプラスされ、仮出所中に行方をくらませたのでした。正義とは何か、逃げるバルジャンも追うジャベールも苦悩します。

    ・ファンテーヌとコゼット母娘
     ミュージカル版ではコゼットがテナルディエ夫妻の下で苦労するシーンがほとんどありません。そのためファンテーヌは悲惨ですがコゼットはバルジャンと暮らして(少なくとも経済的には)幸せなシーンばかりです。アニメ版視聴者と未視聴者ではコゼットに対する感情がかなり違うでしょう。

    ・テナルディエ夫妻とその娘のエポニーヌ
     酒場を経営する小悪党でファンテーヌからコゼットを預かります。エポニーヌとコゼットはこの時点ではお嬢様と小間使いという関係です。バルジャンがコゼットを大金をはたいて引き取りますが夫妻はそれ以後も要所要所でバルジャンと絡みます。

    ・マリウス
     革命を起こそうとする学生で、エポニーヌが片思いする相手です。しかし彼はコゼットに一目ぼれ。三角関係はエポニーヌの死で終わります。

    時代はフランス革命からナポレオンが登場し失脚し、王政復古がなったときで、後半のマリウスら学生の行おうとする革命は復活した王政の打倒のことです。この革命騒ぎの登場が私には唐突で困惑するのですが、作者ビクトル・ユーゴーの生きた時代そのものなので仕方がありません。

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    2019/06/03 15:13

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