満足度★★
「フランケンシュタイン」と題していますが、ほぼ別物。「フランケンシュタインが創造した異形の化け物」が出てくるのはほんの一部だけで、ほとんどは脚本・演出の方の斬新な解釈に基づく、全く新しい話。よく言えば「若い斬新な感性」、別な言い方をすれば「超難解」。特に開始からしばらくのシーンは一体何を表現しているのか、「フランケンシュタイン」の話を想定していた私には、正直全く理解できませんでした。
舞台上の白い布に映し出される何かを象徴するかのような映像も、キャストが身に着けている透明なネットに赤い糸の細工が施してある衣装も、舞台両脇で終始稼働している「ミシン」も、何を象徴しているのか、なんとなく感じ取れましたが、個人的にはもう少し直接的な説明が欲しかったというのが、正直な印象です。
この内容であれば、あえて「フランケンシュタイン」と題する必要もなかったのでは。その方が舞台の内容をもう少し正しく表せたのではと思います。
少なくとも、フランケンシュタインにインスピレーションを受けて現代風に大胆にアレンジした舞台であることをきちんとサイトやフライヤーに明示をすべきであったと思います。
「フランケンシュタイン」の舞台化に興味を持って見に行った方には、ちょっと期待外れという印象だったのではないでしょうか。