満足度★★★★
■約110分■
二人芝居の脚本が松尾スズキ、総合演出ノゾエ征爾ということで観劇。
吹越満との二人芝居はあくまでワンコーナーという扱いで、女優のイベントとしては芝居コンテンツが少ない印象ながら、多部ちゃんの芸幅の広さが味わえる二連作である上、松尾スズキの手による最近では珍しい二人芝居は松尾スズキと温水洋一の往年のコントユニット「鼻と小箱」の作品を彷彿させて、楽しめた。今やすっかり俳優の吹越満がかつてのピン芸人の一面をわずかながら見せてくれたのも、嬉しいプレゼント。全体としては、歌を効果的にちりばめながら終盤へ向かって盛り上がってゆく構成で、自分が多部ちゃんのファンだったらもっと感動できたかも、と思った次第。でも、退館時にサプライズで待ち受けていた多部ちゃんは可愛かったなぁ~♪
松尾スズキにノゾエ征爾と、スタッフがスタッフなのに、あまりトガった感じがしなかったのは、地元の方も来やすい多部ちゃんの故郷の市民ホールでの公演ということで、幅広い層が楽しめるようお二人がトゲを控えめにしたからなのか、お客さんの温かさがトゲを溶かしたからのか、あるいはその両方なのか、会場じゅうがのどかな空気に包まれた、楽しい一夜でした。
機転の利いた司会ぶりで多部ちゃんを面白おかしくいじっていた佐藤貴史はもっともっと売れるべき人。同じく小劇場出身の高橋克実や八嶋智人に匹敵できる、あるいは二人を超えられる逸材。『すいているのに相席』のアフターイベントでキレッキレのトークを繰り広げる姿を見て以来、気になっていた人なので、見られてよかった♪