満足度★★★★★
チャップリン晩年の傑作映画「ライムライト」(1952)の舞台化です。パンフレット(A4版カラー48頁1600円)によるとチャップリン家から日本に限って舞台化を許可されたとのことです。今回はその4年ぶりの再演です。
あらすじは公演詳細の説明が的確です。一言でいえば「老芸人カルヴェロと駆け出しバレリーナ、テリーの支え合う愛の行方」というところでしょうか。
自殺しようとしたテリー(実咲凜音)にカルヴェロ(石丸幹二)がかける言葉は名言の連続です。改めて文字で読んでみると気恥ずかしいものがありますが芝居の中ではずっとうなずいていました。石丸さんの説得力のお蔭でしょう。
「音楽劇」とあるのはミュージカルとストレートプレイの中間を意味しています。これだけ歌の実力者を揃えながらもったいないことではありますが歌は少なく、そして地味です。基本この劇では拍手はカーテンコールまで必要ありません。歌の少なさがミュージカルファンには物足りないかもしれません。逆にアンチの方にはこれくらいが心地良いと受け入れられる気もします。私は先日の「笑う男」が歌いすぎでお腹が一杯だったのでバランスが取れたかなというところです。
最初の歌は保坂知寿さんによる短いものですが、ああこれこれ、安心して聴いていられる!と、この先の展開に期待を膨らませてくれます。そして保坂さんは演技でも軽妙で素晴らしいコメディエンヌでした。
最後は納得のスタンディングオベーション。