満足度★★★★★
期待を大きく上回る出来でした。おすすめです。
小学生の給食にまつわる「いじめ」事件の議論のために集まったご近所の夫婦8組+αの20名。凡庸生真面目なる夫婦がじつはいちばんトンでで、横道にそれた感じの人たちがじつはいちばんまとも。雑談のような議論が始まった早々から、浮気がバレるひと、顰蹙ものの過去が暴かれるひと、やがて体をはった修羅場がやってきます。
20人の描き分け、20人それぞれの役づくりもしっかりしていて、単なる群像劇におわらず、ひとりひとりの顔が鮮烈な舞台。
台本が緻密で、必然性のパズルがカチッと収まる快感。チョイ役に見えたひとが次の瞬間に舞台の主役に躍り出るおもしろさ。スクリーン投影の写真やビデオもうまく使って笑わせてくれるブラックコメディー。それでいて、人間や社会のありかたについて正面切って語るセリフも、浮き上がることなくストーリーにきちんとはまっている。