ウェイヴライン 公演情報 不定深度3200「ウェイヴライン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    物語の前提は、友人からの伝聞という間接話法のような話にしている。登場人物は全員大学生であり、それぞれの生活や行動から見える青春ドラマ。
    観客を物語の中に引っ張り込む、または集中させるといった力強さが足りなく残念。話の内容は分かり易いが、全体的に坦々としており印象的でないような…。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    女性が、ある出来事がきっかけで引き籠りになった大学生の部屋に飲料を持って行くところから物語が始まる。その部屋からは海が見えるという設定である。
    ほぼ素舞台(椅子1つ)だが、両側に白い衝立のようなものが2つずつ立ててある。この衝立には、テロップのような映像が映される。この映された内容が男の引き籠りの原因のようだ。

    物語は、坦々と過ごし大学院へ進学する者、就職活動で忙しくしている者、海外留学している者、世界中を旅している者、そして引き籠りの大学生といった群像。現代的と思わせるのは海外にいる友人とインターネットを通じて繋がっていること。それぞれの生活・行動を描く時に行う、奇妙なパフォーマンスというかムーヴメントが何を意味するのか分からない。その動作はクロールのように腕を回す、または平泳ぎのように両手を左右に広げる。タイトルが「ウェイヴライン」であり、海が見える部屋という設定から”海”をイメージした動作であろうか?または、まだ何者でもないという学生を表す浮遊感のようなものであろうか?その独特の演技が少しわざとらしく鼻につく。

    一部回想シーンが描かれるが、それは引き籠りになった原因(彼女が通り魔=無差別殺人で殺された事件)である。その内容(文字)が衝立に映され、そこにはチラシにある午前11時30分。実は事件が起きた時間である。ラスト...夢想の中の彼女は私のことは早く忘れてと言わんばかりに、男がデッサン用に使用しているエンピツで自分を刺す衝撃さ。この場面だけを見ると、男が再生するまでの空想劇のようでもある。

    照明は印象にないが、音響は波の音や雑踏など、情景を思わせる効果を演出し好印象を受けた。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/03/24 21:57

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