満足度★★★★
毛色も内容も全く異なる個性的な4作品共通の舞台セットはシックでダイナミックでどこかファンタジック。
開演までの間、しげしげと見惚れてしまいました。
『アミューズ・ブーシュ』作・演出「7%竹」主宰
笑わせる事に長けたノリでもって、何かと自己アピール上手。
そのアピール上手が心憎いです。
例え親が亡くなったとしても、こんな賑やかに見守ってくれるなら寂しくないなぁと素敵に思えたホームコメディー。
『コミックストーリー』作・演出「マリーシア兄弟」主宰
今回お目当てだった劇団マリーシア兄弟さんの作品。
タイトルからコメディーを連想、ところがどっこい がっつりヒューマンドラマでした。
落語の世界、真摯に取り組む熱意が伝わってくるのは非常に良かったものの、本来の持ち味が何故か封印されている気がして、どこか勿体ないと思ったのが正直な感想。
『クライマックスに向かってる』作・演出「青色遊船」主宰
群像劇・・・元々4つに切り分けられた3番目の蓋を開けると、更に切り分けられているというまさか・・・できれば単独で観た方が効果的ではないかと思えた、ほろ苦い旨味の広がってくる作品。
『ツルのハ』作・演出「劇団時間制作」主宰
3人組の大学生が、ある姉妹を誘拐監禁・・・始まった一瞬にして身が凍り付き、取り込まれてしまう圧倒的な手腕。
一体この事件は彼等のどの時間までさかのぼれば防げたというのか・・・このパートの時間だけ妙に濃厚に感じられたのが不思議。
今回のセットを最も効果的に活用されていたのも大きかった。
過去に一度作品を拝見させて頂いた時には「自分とは相性が良くないのかも」と思ってしまったのが嘘のようでした。