満足度★★★
人見の「理性」と「感情」が会話する冒頭はワクワクしたし、オープニングはスタイリッシュな深夜アニメを連想させました。
その後もこの2人の会話のシーンは面白かった。土屋シオンくん、CCC以来に見ましたが魅力的な役者ですね。
パノラマ島にやってくる乱歩の様々な作品の登場人物のうちだと、
特に「椅子になりたい男と、鏡フェチの女」「顔がただれた男と、夢遊病の女」の2組が好きでした。
また、明智探偵は登場するたび安心感がありました。テンポが整う感じ。
ただ、全体を通して挟まれるギャグで客席がイマイチ温まらなかったのが残念。
人を笑わせることは泣かせるより難しい…
千代子が愛おしいという感情を、パノラマ島を完成させるという理性が押し切ってしまった人見は
せっかくパノラマ島を作ったのに、いちばん「いいこと」を選べずに終わってしまった人だと思うと空しい。
大勢の人に囲まれながらも、ずっとひとりで走っていた印象。
「居場所」というのは特別な他人との関係で生まれるものだと思いました。