暗くなるまで待って 公演情報 日本テレビ「暗くなるまで待って」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★


    事故で視力を失った若妻・スージー(凰稀(おうき)かなめ)と3人の犯罪グループ(加藤和樹、猪塚健太、高橋光臣)とが麻薬入りの人形を巡ってアパートの一室で騙し騙され、そして闘う。1967年にはオードリー・ヘップバーン主演で映画化された。

    最初は3人を夫の友人や刑事だと信じていたスージーが次第に彼らの本当の姿に気づき、一計を案じる。題名からもわかるように、それは夜になって電燈を消した真っ暗な部屋で対決することだった。うまく主導権を握ったと思ったそのとき、大きな見落としが明らかになる…。

    シリアスなサスペンスだと思っていたら、最初に登場する犯罪グループの様子がどうも柔らかい。やがて登場した主役の凰稀さんの声が少しアニメ声で動作がかなりコミカルなことで、この舞台の性格付けがわかった。あれまあ、そっちだったかといささか落胆した。まあ映画もYouTubeムービー(400円)で観るとそれほど怖くは作っていない。映画は最初に人形に麻薬を隠すところから始まり、場所も場面も沢山変わり、わかりやすいが冗長でもある。この舞台は固定場面であって余計な部分がそぎ落とされてすっきり、しっかりとした印象である。比較的若い俳優さんで固めていることを好ましく感じる方にはお勧めである。

    この作品でも電話は鬼門だ。犯人が公衆電話を使うところで「3人もいて誰も携帯を持っていないのか」と不思議がる若者もそろそろ出てくるだろう。さらに写真家の旦那が赤い灯りの下で写真の現像をしている場面もほとんどの人には意味不明であろう。しかし、この灯りがないとクライマックスは長時間真っ暗になって映画にも舞台にもならないのである。

    ところで映画のマイク役のリチャード・クレンナって「ランボー」(1982年)の上官のトラウトマン大佐じゃあないですか。芸風は同じで何か嬉しい。

    ネタバレBOX

    映画では一人で部屋と廊下の電球を割って行くが舞台では配電盤のヒューズを外してグローリア(黒澤美澪奈)に場所ごとに確認してもらう。失明してからそれほど経っていないので視覚以外の感覚がそれほど鋭敏になってはいないという前提なので、映画の電球を一人で残さず割るというのは無理があるともいえるがこの事件を通して能力が発達したともいえる。舞台では衝突ばかりしていたグローリアとの和解の場面を一つ多く描いているともいえる。
    冷蔵庫の音は映画では不自然になるので大きくすることはできないが舞台ではできる。それが非常に効いていた。

    最後の場面で舞台では冷蔵庫のドアの裏で二人がもみ合いになったところでコンセントが抜けて暗転したのでスージーが反撃したとも受け取れた。映画ではスージーだけがドア裏にいて犯人はすでにヨレヨレでようやくドアの前まで来たところで暗転する。そのまま、犯人がこと切れたとも見えるが少し謎も残る。

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    2019/01/29 09:06

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