ジハード ―Djihad― 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「ジハード ―Djihad―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ベルギーのモロッコ系移民の二世イスマエル・サイディ氏の作を日本の演出家と俳優が上演。
    この作品はベルギーを中心にヨーロッパで上演されていて(現在も上演中とか)、42万人の人が観て、そのうち半数が中高生世代だという。

    ネタバレBOX

    作者同名の青年と2人のベルギーに住むモロッコ系移民二世の青年たちが、ジハードに参加するためにシリアへ行く話。
    彼らはコーランすら読んだことがない。

    そんな彼らが「なぜジハードへ行く」のだろうか?
    宗教や民族、人種などのことではなく、「人間として生きる」ことに対しての渇望と絶望が彼らを駆り立てるのだろう。

    意外なことに笑える個所が多い。
    しかし苦悩は重い。
    敵がまったく見えない戦闘。今日はシーア派、明日はキリスト教徒、次はスンニ派の中で対立する人々……。戦う意味もわからなくなっていく。

    どう決断しても結果は良いわけがないラスト。

    アフタートークのゲスト、日向史有氏(ドキュメンタリー・ディレクター)の作品、日本にいるトルコ系クルド人のTVドキュメンタリーを撮影している中で、トルコ系クルド人の(若い)二世たちの言葉と、劇中の会話(モロッコ系移民の二世)で出てくる言葉が重なる、と涙の鼻水をすすりながら語っていたのが印象に残る。

    ベルギーの移民の話(二世の話)は、遠い異国のことではない、と改めて思う。

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    2019/01/09 01:01

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