満足度★★★★★
仲代達矢さんを取り上げていたテレビのドキュメンタリーで、台詞覚えに苦戦していた、肝っ玉おっ母を演じる、85歳の仲代達矢さんがどこまで演じきれるのかが、失礼ながら気になっていたのだが、そんなことは舞台を観て吹っ飛んだ。
確かに台詞を言い間違えたらしいところはあったが、まるで最初からそうだったように、何事もなかったように演技を続けるしたたかさもあったのだが、舞台上の存在感が「肝っ玉おっ母」そのものだった。力強い。
この年齢だからこそできる「肝っ玉おっ母」があるのだと納得した。
ブレヒトによって1939年に書かれた戯曲は、その台詞の1つひとつが今の世界に響いてくるようだった。
戦争の怖さ、醜さとともに、それで生活していく人もいるということ。
無名塾の俳優さんたちはやっぱり上手い。
最初から最後まで舞台の上から目が離せなかった。
できれば「能登演劇堂」で観たい。