満足度★★★★★
太宰治の短編。聖書から素材を採った作品 「あの人は酷い。酷い。厭な奴です。悪い人です。」 非難から 始まり、愛している故の嫉妬、尽くして見返りを求める。 愛した結果の憎しみ。 話すに従い 自分自身も卑劣に見せるように自暴自棄に語り行動は、お金を受け取る。 心の揺らぎから、大きな心の動き 岡田萌生さんの声、台詞が、浪曲 講談の様に流れるように聞こえる。 「銀三十、なんと素晴らしい。いただきましょう。私は、けちな商人です。欲しくてならぬ。 申しおくれました。私の名は、商人のユダ」 最後に名乗るユダの名前。 最も尽くし 最も愛し 最も苦しみを負った。 最も憎み 最も嫉妬し 最も憎んだ。 ユダ。
岡田萌生さんの、この作品 年齢と共にどう変わるのか観てみたい。