サイパンの約束 公演情報 燐光群「サイパンの約束」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/12/20 (木)

    記憶があやふやと思しき老女との冒頭のやり取りは、まるでミステリーの始まりを予感させて、好みの出だし。最初は「痴呆」がイメージに浮かんだのだが… 思い出したくない過去とも絡み合って、それに留まらない内心の複雑な感情が察せられる展開でした。

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    ネタバレBOX

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    結局、映画の撮影隊の物語であることが早々に明かされるのだが、映画制作に演劇の手法(ワークショップで演出を手探りしていく)を持ち込んだ印象の設定で(それを演劇上演しているのでややこしいが笑)、サイパンでの戦中戦後のドキュメンタリーの主役を、そのモデルとなっている当事者の「生き残りの老婆(渡辺美佐子さん)」が、当時の自分を演じる(のを演じる)のだが、その演技の過程で、彼女がまるで痴呆で退行したかのように見事に「少女」と化す様が圧巻、ホラーじみた印象すら残す味わい。

    そして残留日本兵の潜伏やバンザイクリフの悲劇等を通じて、信じてた価値観の崩壊・反転の中で、意識の切替に対する拘泥・順応、内部での確執が様々に描かれる。今の価値観で当時の行為を安易に非難できるはずもなく、翻弄される人間模様を眺める他はなかった。

    ただ 燐光群なので(?)、沖縄を絡めたり… 主義主張が絡んできたりすると、どうしても「説明劇」の様相が濃くなってしまって、むしろドラマ没入を阻んでいる印象は否めないのだが… そうと分かっていながら、名古屋公演が来ると観に行ってしまうのも事実だなぁ。

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    2019/01/03 20:17

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