「Q → P」(クーの不可逆反応にローは目覚める) 公演情報 パッチワークス「 「Q → P」(クーの不可逆反応にローは目覚める)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/28 (日)

    遠く愛媛の劇団なのに何という御縁か、つい1ヶ月前…まつもと演劇祭で『「X(キー)」代入解なき代替可分者の対話』という…何とも噛み応えのある…生々しい想いと不安と感情が降り注ぐのを拝見しています。

    そしてまたもや数学物理化学の匂いがするタイトルですが、はっきり別モノなので当然別の作品かと思いきや、…いや確かに別の作品なのですが、どうも同じ軸線上にある思考の元での作品でした。

    ある「劇中劇」の創作過程、社会に対するモヤモヤ、伝わらぬ想い、伝えられぬ拙さ、溢れる憤り… 本作品でも「同じパーツ」を使いながらも… アプローチを変え、過程に丁寧さが増したことで、見えてくるモノが変わっていた感触がありました。

    以降、ネタバレBOXへ

    ネタバレBOX

    【続き】

    「X…」では劇中劇の主宰の苦悩ばかりが伝わってくる印象で、座組内で物議を醸した「主宰の客演陣への対応」は、劇団員から主宰への強烈なダメ出しを介して間接的に表されていました。その強烈さは、それはそれでインパクトの強いものでしたが、「Re:Q→P」では一転、主宰と客演陣のコミュニケーションは舞台でダイレクトに表されるように変わる。そして、それにより主宰の「暗部」が伝わってくる様になった。

    マイノリティと多様性を語るための作品制作の中で、「現代社会の危うさ」を窺わせる映像が…数多く出てきます。それは当初はアンチテーゼとして目に映り、何度となく語られる「演劇は社会を写す鏡」という言葉は、その社会を写し取って、演者に…観客に思考を促すモノとして体現される… …ハズだった。

    しかし、その想いを強く曝け出すうちに、…その主宰自身が…その「現代社会の危うさ」の一部であることが露見していく。現代社会の危機を示していた筈のニュース映像は… 自分の姿勢が…歪みが巻き起こすリスクを予感させるモノに変容していく。自分が…自分の最も「望まぬモノ」になっていく恐怖。

    想像力がないことが問題ではなく… 誰しもが避け得ぬ「自分の想像力が及ばぬ対象」への対処の在り方が問題なのだと感じさせた。

    ​「X~」では、そこまで思いが及ばなかった。それ故に同じテーマを何度もスクラップ&ビルドすることの面白さを感じた。

    ちょっとしたアプローチの違いで伝わってくることが変わるのを如実に体験しました。

    アフタートークでは「認知の歪み」で他人の思考を勝手に変容させてしまうこと(相手の言葉を… 相手が意図していない受け取り方をすること)への懼れが語られたが、基本的に観客に対して一方通行になってしまう「演劇(本番)」において、観る側の立場でも避け得ぬことだ。そこが面白味の一つではあるのだが、やはり自戒として「多くの解釈があり得ること」は心に刻んでおきたいなと思った。

    なお「舞踏」は、相変わらず主宰の如実な心理を暗喩する存在として効果的で、しかも、この劇場の独特な構造を最大活用して2階に舞踏家を配したことで、私の席からはちょうど主宰の斜め上に舞踏の身体表現が存在することとなって、何とも絶妙な視野になった。

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    2019/01/03 18:01

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