満足度★★★★★
鑑賞日2018/07/28 (土)
まず会場に入ってびっくり。G/PITという小劇場には…なぜだか舞台美術の域を超えて、会場そのものを異空間にしたくなる何かがあるのでしょうか。他の劇場にはない「長い廊下」が異空間に向けての良い助走になるからかなとも思う。
過去にも…ある時は「居酒屋」、またある時は「動物園」、時には「うらぶれた寒村」だったりしましたが、今回は…扉を抜けると「シックで都会的なカフェ」でした。本作「白夜」の舞台は うらぶれたホテルの一室なので、G/PITの殺風景な廊下から直に舞台でも何の違和感もないぐらいなんですが、ここで双方に異質な空間を挟むことに…何か演出意図があるんじゃないかと思えて面白い。何せマダムYukiこと演出・鹿目さんがお出迎えのカウンターですしね。この為に営業許可まで取ってるのに驚きです。
さて ようやく本編の感想。寺山修司作品はたぶん初めて。一つ目立って印象的なのはヴァイオリンによる生演奏… しかも劇伴に留まらず、効果音まで響かせるのがとても効果的で、心理の動きを描写する高音が…観客の動揺をさそう感じでドキドキさせてくれました。生音の威力すごい。この仄かに狂気漂う舞台にぴったし。
以降、ネタバレBOXへ