満足度★★★★
ストイックに変身
前年4月の凱旋公演では会場の長辺側が演技エリアだったのに対して今回は短辺側が舞台という構造上の違いからステージ両サイドにも壁があることとキャラクターを識別するためのアイテム類が舞台になく後方の壁の陰に隠れていること(このスタイルは横浜公演のみとのこと)が開演前に気付いた違い。
始まってみると「識別アイテム」がピンクで統一されていたり、前回いなかったところの唯一「黒くない」(笑)単一キャストの「ツアーコンダクター」がいたりもして、それらの違いによってかなり趣を異にする。3方を囲む壁が白一色なこともあって、ストイックな印象?
さらに、わかりやすくするため&劇団競泳水着に感化された(笑)(アフタートークでの発言より)ために恋愛色を強めたとのことで、内容的にも変化したもののどちらがより良いということではなく、劇団四季の『JCS』のエルサレム、ジャパネスク両バージョンの如くそれぞれに特色があってどちらも面白いモンだから始末が悪い…(笑)
で、本作は柿の劇団としての特質が端的に出ているそうで、「ツアコン」はその「異様さ(笑)」を外からの目で見てより際立たせるための存在とのことだが、終盤ではストーリー全体をより高いところから俯瞰しているように見えたり、使徒たちを導きながらもいつの間にかいなくなってしまう存在のように見えたりして、「もしかするとアノ人の象徴?」「あるいは神の意思?」などといろいろな解釈ができて、深みも加わったか?
また、終盤で使徒たちの殉教も語られるのでやや重くなった感もアリ。
今後も2年ごとくらいに劇団状況を反映させつつ演を重ねる構想もあるそうで、それにも期待。