CONNECT 公演情報 TEAM 6g「CONNECT」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    TEAM6g番外公演は実に面白く、最後まで飽きさせない観応えあるもの。本公演は何作か観ているが、番外公演は初めてだった。5人の男優が何役も変幻自在に演じ分ける観せ方、確かにコメディらしいが、描かれる内容は案外身近で、もしかしたら自分にも…そんな怖い事が起き得ることがある。
    脚本・演出はもちろん役者の演技力が素晴らしい。舞台美術は、APOC THEATERという小空間(小劇場らしさ)をダイナミックにそしてテンポ良く観せる工夫、物語の展開を分かり易くしており好感が持てる。
    自分が観た回、暗転時に少し舞台裏の物音がしたが、それも手作り感として許容してしまうほどだ(上演後、脚本の阿南敦子女史と話してその思いを感じた)。
    さて、この内容、ある映画を連想してしまう。
    (上演時間1時間45分) 2018.12.17追記

    ネタバレBOX

    舞台は2階部を設け、左右に非対称の階段がある。中央1階部には出入り口。上手上方にスクリーンがあり、冒頭に登場人物=役者紹介が行われる。そして、スクリーンを使用しての本編導入シーンは物語全体に関わる重要なメッセージ。

    梗概…痴漢行為をした男が警察に捕まり、取り調べを受けるが…。満員電車内という逃げ場のない、そして顔見知りがいない状況下で、行為をしていないことをどう証明するのか。警察に捕まることで世間の目は厳しくなり、会社の人間関係の不信感、会社という組織の信頼性を守るため見捨てられるという現実。表層はコメディタッチだが、内容は極めて深刻でリアル。この事件には裏があり、冒頭のシーンへ。そして姿は現さないが、劇中にたびたび出てくる人物が鍵を…。個人的にはブラックコメディの傑作だと思っており、再演を希望することから詳細は省略。

    良く練られたプロット、5人の俳優で多くの人物を演じ分け、状況・情景を分かり易く変化させる面白さ。ある時限を設定することで心地良い緊迫感を生み、さらに何故その電車のその車両に乗ったのかというミステリー要素を盛り込み、観客(自分)を物語の中にグイグイ引き込んでいく。また、現代世相と言えるのか。直接顔見知りではない仮想空間での出会い、いわゆるインターネットを通じた人間関係によって救われていく。そこに潜む情報過多にも関わらず孤独な現代人が浮き彫りにされる怖さ。その意味で社会劇+推理劇という二重の面白さが味わえる公演。

    また演出は、山なりのような舞台の上り下りが時間の経過と場所移動という状況を作り出す。また躍動感が生まれ、心地良いテンポで展開していく。そのための役者の運動量は、想像に難くない。演技力+熱演が物語の面白さを支えていることは間違いない。
    最後に、映画は「それでもボクはやってない」(2007年 周防正行監督)である。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/12/13 16:08

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