満足度★★★★★
泣くような作品じゃないのに途中ぼろぼろと泣いてしまった
たぶんそこに演劇が無かったから、そして僕のいないところに演劇があったから
2年前に初めてこの劇団を見た時僕は「精錬されていない剥き出しの不条理」という感想を抱いた
時がたって今、彼らは精錬しないさまを表現として人に衝動を起こさせるまでに高めてしまった
完全に僕は打ちのめされた、こんなにも僕の心を叩きのめす演劇は他にない
物語性とか表現方法とか台詞とかじゃなくあの場所に何が有ったのか?
エネルギーだけがあったのか、演劇だけがあったのか、何もなかったのか
舞台から押し出されて受け取った感情は確かにあって
僕は何故泣いてしまったのか
演劇は自分を表してる気がしたり、人生がわかった気になれたりするもので、それはすがりついている藁の様なもので
この作品は舞台にあげられた自分がその演劇に実は何もないことを見せられて、なのにそれでも好きだと思ってしまって
そんな自分への笑い泣きだったのかもと