3D能エクストリーム 公演情報 3D 能 製作委員会「3D能エクストリーム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    鑑賞日2018/11/28 (水) 18:30

    能と3Dの融合とのことで新しいものが観れると期待していましたが、融合どころか3Dの演出があまりにもチープで観終わった感想は残念を通り越して呆れるレベルでした。具体的なことは「ネタバレbox」に書かせていただきます。

    ネタバレBOX

    初日に観てきました。1つの公演には4つの演目から3つ選ばれてるようで、この日の演目は 1清経、2熊野、3船弁慶。3Dメガネは映像が始まったら着用するようですが、これをつけると繊細な能の動きや表現が暗くでぼんやりと薄まリます。そして、映像は3Dに見える部分もあるのですが大半はぼんやりして映像です。どの映像も技術的には解像度が低く物足りないところもあるのですが、基本的に演出がゆるくてリアリティのかけらもないです。例えば、1に出てくる「月」は平面的で立体感がなく、散りゆく「もみじ」はただ動いているだけ、途中水面に写りこむ月明かりは静寂でキレイに見えたものの、月の逆光が生かされておらず、終始退屈の一言。2に出てくる「馬車」は舗装されたコンクリートの上を走っているように動きがなく、散りゆく「桜」は「もみじ」同様に平面的。花びらが落ちる空気抵抗が雪と全く変わらないと思いきや、舞台終わりのトークショーでは「技術的に雪のようになってしまった」と演出家自身が反省してることに驚きました(納得いってないものをお客さんに見せてるのか)、桜が散ってる時の背景は止まった桜の木。せめて風に吹かれてるシーンを使うとか労力を使わずに工夫はいくらでもできたはず。ちなみにその桜の木は白飛びしていて、雪が積もった気にしか見えなかった。 3つ目は「荒れる海面」を中心に海面やシブキを表現。能の動きとリンクしてるようだが、端のほうに座っていたせいか人物と映像の動きが全く噛み合ってない。このような見え方が悪い意味で変わってしまう席はそもそも用いるべきではないと感じた。船酔いするようなグラグラした部分は良かったけど、やっぱり映像としてのクオリティが低い分、クライマックス的な終わりかけはどれも音をとにかく上げるだけ。あたかも盛り上がったように見せてはいるが、日本の情緒的な美しさはどこにもなく、表面的に3D映像を作って後ろで流してるだけでした。これのどこが融合なんだと、分離してるものを濁らせて組み合わせていて能の魅力を半減させてることに終始がっかりでした。また、舞台の左右に照明があるのですが、金属部分が対称の光で反射してノイズになっていて不必要と感じた。こんなの布やテープで隠せる部分で、これをこのままOKになることが信じられない。映像に使われている画像は、フリー画像や安い有料画像を並べたもの、また動画素材を組み合わせたものが多く、随分と安く仕上げたもんだと思いました。トークショーの終わりもダラっとした感じで、ちゃんとお辞儀しないんだと驚きました。公演終わりに席を立ったお客さんがハプニングで舞台前で大胆に転んだのですが、その方の迫力がすごくこういうドキッとするような演出をもっと取り入れるべき。実験的な試みなのに、どこか消極的な演出で時間を返して欲しいくらいでした。ダメなところや、改善点を書こうと思ったら書ききれないです。

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    2018/11/28 21:32

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