満足度★★★
鑑賞日2018/11/23 (金) 14:00
福澤重文,宮下貴浩がその都度劇作家を選んで公演を行なう2作目だそうだが、今回は東京マハロの矢島弘一に依頼。「いい話」が展開される。終末期の患者を入院させる病院で、患者を殺したと批難される看護師の家族の物語。当の看護師は自殺未遂で植物状態になったということで登場せず、3年半を経て亡くなるのだが、それまでに兄・看護師・妹と看護師の夫、その愛人、耐えられないで逃げ出した母と愛人、など、さまざまな人物が次から次へと逆転技を繰り出し、最後はややいい感じで終わる。矢島らしい物語とは言える。
男優を目当ての女性客が多い中で、女優ファンとしては、女優陣の充実ぶりが嬉しい。軸になる妹役の佐津川愛美がますます巧い役者になっていたのは見事だ。母役で久々の舞台となる山下容莉枝は大事な場面での存在感は見事で、夫の愛人役もたい陽子はいつもと少し違った「いい人」の役を演じる。兄・夫の旧友である山本真由美は大事なシーンで無色な役を演じる。斎藤ナツ子も重要な役割を好演するが、2シーンしか登場しないというのは勿体ない。