満足度★★★★★
紫煙とはよく言ったもので、この公演でタバコの面白さを改めて実感する。
Barの薄暗い店内でスポットの当たるカウンターとの明暗差ゆっくりと漂う煙、
勢いよく飛び出す煙、ため息とともに吐き出される煙、
明かりに照らされる煙の波が人の感情を物語る。
何よりこの狭い空間で4D的に嗅覚に訴える煙草の香りも心地よい。
タバコは吸わぬが香りは嫌いではない。
演目により変わるタバコはその香りと煙とともに物語を演出してくれる。
小さなBar公演は、まるでその場に居合わせた客であるよう現実空間と錯覚する。
暗転で夢空間が消滅するが、この居心地の良い夢空間が更に続けばとも想う。
男女、親子、人間の感情としがらみをストレートに捉えた脚本も秀逸。