満足度★★★
鑑賞日2018/10/31 (水)
シアターサンモールにてミュージカル「深夜食堂」を観劇。
日本の新宿をモデルとした韓国生まれのミュージカル。日本に“里帰り”というべきなのか、“逆輸入”というべきなのか、まずその構図が面白いと思いました。更に、ミュージカルといえば一般的に華やかなイメージを抱きがちですが、今回の作品は午前0時~7時の間だけオープンする深夜の街の食堂を舞台としたものだけに、決してキラキラした照明やダイナミックな舞台装置、ノリノリのミュージカルナンバーといった雰囲気ではなく、その逆をいくようなこれまであまり観たことがない良い意味で異色のミュージカル作品であったと感じました。ミュージカルという表現よりも音楽劇という表現の方がしっくり来るかもしれません。
深夜に食堂へ集まってくる様々な人々。似たような境遇の人はいても、やはり一人ひとり皆違う。それぞれに様々なドラマがあり、どんな生き方が正解なのかは誰もわからない。これは現実社会においても同じことであり、やはり外見の印象だけで人を判断してはいけないことですし、どんな生き方をしていても誰もが人間らしい一面というものは持っているものだなと改めて感じました。だからこそ、幅広い心でもっと他人を思いやる気持ちを持って生きようと、漠然とではあるものの、何か大事なことに気付かされたような作品に感じました。見方によってはとても奥深い作品です。ミュージカルナンバーも真面目に歌ってはいても、タラコだのサンマだの、実はくだらない?面白い曲が多いという印象を持ちました。決して派手ではないコメディミュージカル。個性的で良かったと思います。主演の筧利夫さんをはじめ、戦隊ヒーロー、宝塚、シンガーソングライターなど役者さんもバラエティーに富んでいました。