満足度★★★★
探偵サイドを観劇
怪盗サイドも観劇
どちらも90%以上の時間は同じ俳優さんによる全く同じ演技です。作る側は細部まで精通しているので10%以下の違いが大きく感じられるのでしょうが、観る側にはほとんと同じとしか感じられません。したがって普通の人は一方を観れば十分でしょう。以下の感想も両者共通です。
大正時代(1912-1926)には短い間に第一次世界大戦(1914-1918)と関東大震災(1923)という大事件が起こりました。物語は大戦特需が無くなり不景気になった世の中に暗躍する政治家を攻撃する怪盗ジゴマとそれを阻止せんとする探偵三笠夢乃介の激闘を描くアクション・エンターテインメントです(本当はちょっと違うのですが…)。小劇場にしては衣装が結構作りこまれたもので「帝都」という言葉と共に大正時代に我々を連れて行ってくれます。また殺陣がかなりスリリングで最前列の人は大丈夫かと心配してしまいました。もっとも殺陣以外はかなり緩い風味のお芝居で捻ったところは全くありません。何も考えず気楽に楽しむことができます。まあしかし乱歩風を匂わせるならもっとおどろおどろしいところがあっても良かったのではないかとは思いました。
役者さんはしっかりしていて変化に富み、男性陣は硬派から軟派まで、女性陣は可愛い系、綺麗系、個性系までかなりのレベルで取り揃えられています。どなたにもピンとくる方が見つかると思います。私は「ちょい悪綺麗」な蜥蜴役の安達優菜さんが一推しです。
*twitter で無断キャンセルを嘆いていますが、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を誰でもわかるところに書いていないのが原因の一つでしょう。逆に、開演前の忙しい時に無駄な手間を避けるためにわざと連絡先を書かない団体もあると思います。「当日精算」という曖昧模糊とした方式が生む必然的な弊害と割り切るのが良いような気がします。もちろん犯罪的な大量キャンセルはまた別の話です。