満足度★★★★★
鑑賞日2018/10/06 (土)
日本青年館ホールにてミュージカル「タイタニック」を観劇。
1912年4月10日、豪華客船タイタニック号の悲劇の処女航海の様子をミュージカル化。一体どのような作品になっているのだろうと興味深く拝見させて頂きました。映画版の「タイタニック」は何度も観たことがあり、あまりにも悲惨な沈没のシーンが脳裏に焼き付いていましたが、ミュージカル「タイタニック」は同じく沈没までの様子が描かれてはいるものの、それ以上にあの日あの時間あの豪華客船に乗船していた様々な人々の考え方、生きざまに重きを置く形で作られており、自分を含む人間の生涯について改めて考えさせられた深い作品でした。
多くの人々の夢と希望を乗せて出港した豪華客船が大西洋に沈んだ事故。映画版ではあまり感じることが出来ませんでしたが、同じ乗客でも一等、二等、三等によって対応が大きく異なっていた事実には憤りを感じる部分あり、当時の時代背景を考慮すると致し方ないと感じる部分あり、、複雑な気持ちになりました。現代社会においても格差や差別などが存在するのは悲しい限り。やはり誰もが同じ人間であることを理解し、お互いをリスペクトし合える世の中にしないといけないと改めて感じました。また、タイタニック号の沈没は人災だったのか天災だったのか、防がなかったのか防げなかったのか、などについても考えさせられました。結論的にはやはりトム・サザーランド氏が仰っている通り「誰かに非があるのではなく、それぞれが自分の出来るべストを尽くした結果、偶然が重なりあって起こった悲劇」であったのかなと感じています。途中20分間の休憩を挟む2時間30分の公演。可動式の舞台装置や照明の使い方、多彩なミュージカルナンバーによって時間が経つのがあっという間でした。とても贅沢で上質な2時間30分を過ごせて大満足です。