演劇魂 公演情報 劇団Please Mr.マーベリック「演劇魂」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2018/09/27 (木) 19:30

    価格3,500円

    「総論賛成各論反対」的に全体としてはいろいろな意味で面白かったのだが不満点とダメなトコもあったのが惜しい。

    ネタバレBOX

    まずは苦言。人が人に手をかけたくらいでは死にません。劇中劇の台詞にあった「あなたがギュンター様に手をかけたのですか?」は誤り。よくある間違いだが「あなたがギュンター様“を”手“に”かけたのですか?」が正しい。
    こういう基本的なミスはあった途端に白けてしまう。

    また、役者の演技だけで十分に盛り上がるだろう良い場面に何故センチメンタルな音楽を流して芝居の邪魔をする?
    対象物を描くだけで十分ステキになりそうなのに背景もゴテゴテ描き込んで肝心の対象を霞ませてしまった絵画のよう。久しぶりにこのパターンに遭遇。

    さらに個人的な印象で言えばラストは尻切れ気味。
    大先輩に対する感謝や思慕の気持ちを表現したところで終幕となったが、それを活かしたことを見せるその後の稽古場面(←一例:マイムだけでも可)のエピローグが欲しかった。

    さて、以降は良かったところ。

    上演中の劇中劇に客席からヤジを飛ばしていた柄の悪そうな(笑)客を終演後に追及し「お前が演ってみろ」と劇団側が迫ったところ迫真の演技を披露され、主宰と演技バトルをするという冒頭シーンで「ツカミはオッケー」。
    そして、ベタで暑苦しくてクドい(爆)「いわゆる熱演・力演」をする男に対し主宰は抑えた自然な演技で対抗するのかと思いきや、更なる熱演・力演で圧倒するという「文字通りのチカラ技」での解決から「名演技」を「記号化」したのだな、と感心。
    そういう意味では少年ジャンプの漫画を舞台化したよう(笑)。

    そうしてその男を団員とした劇団の快進撃と大手事務所の陰謀(?)などを経てのクライマックスの演劇バトル/演技バトルがまた(オーソドックスなものも含めて)イイ。

    ・1回戦で「ヤジ男」とその実の兄である人気俳優が演じるラーメン屋の即興劇は彼らの演劇人生の暗喩
    ・その後の他の参加者たちの演目を音響処理で早回しにして時間を短縮する(最初は何で音声を録音で流すのか?と思ったが理由がワカって膝を打つ)
    ・最終戦の即興劇で劇団との出会い(現実での冒頭シーン)を演ずる

    など、巧かったなぁ。(それだけに先に挙げた点が惜しい)

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    2018/10/04 23:10

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