『ジェイミー・フォスターの通夜』 公演情報 劇団東演「『ジェイミー・フォスターの通夜』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/10/01 (月) 14:00

    座席1階1列

    アメリカの演劇というのは、どうしてこうも渇きを覚えさせるのだろうか。
    ユージン・オニールしかり、テネシー・ウィリアムズしかり、アーサー・ミラーしかり。
    この舞台では、登場人物たちの渇きは、ジンで癒されていく。バーボンであれば、少しは観客にも癒しも与えられたであろうが、ジンには「不道徳な酒」といったイメージが付きまとう。どうも登場人物たちの安寧が、自らを偽ろうとしているかの印象だ。

    ジェイミー・フォスターの通夜のために、彼の弟夫婦、彼の元妻の妹弟等が彼の元家、元妻の家に集まってくる。パンフには、人物相関図が書かれているが、それらの人物がどういった人物で、どのような関係性を持っているのかが、この舞台の焦点になっていく。そして一夜明けて、翌日の葬儀に至るまでの物語だ。
    彼らは、ジェイミーを中心に繋がれているのだが、彼に対する愛増入り混じった感情・行動が、過去の出来事と共に綴られていく。

    ただ、どうも舞台が落ち着かない。やたらとバタバタしているだけで、登場人物の絡みが、会話や行動でも「えっ、どういうこと?」「何が言いたいの?」「今どこに話は進んでいるの?」と常に?付きにしか捉えられない。

    それが落ち着くのがブロッカーの登場で、能登剛がこの舞台に重石を置いて、急に進行がスムーズになってくる。ブロッカーの行動原理は、シンプルだ。マーシャルに対する深い愛情と、その表現の術が掴めない苛立ち。
    ジェイミーの通夜に訪れた近隣者は、彼1人らしい。(ただ、ジェイミーの若いケーキ職人の恋人はブルーベリーパイを持ってきている)それも、彼への憐憫や哀惜というわけでもなさそうで、マーシャルにしてあげられることはないか、ただその一点のための口実のようだ。そして、、、

    さすがに、会葬割のために喪服着てきた人はいなかったですね。
    やはり、400円のために喪服引っ張り出しはしないよなあ。また、いつかのためにきれいにしてしまわないといけないし。せいぜい、黒いネクタイや黒いショールなど、くらいにしてくれないと、実効性はないような。

    それと気になったのだけれど、酒棚にシーバスリーガルのみずならがったような気がするんだけれど、あれって当時はないでしょう。(見間違い?)





    ネタバレBOX

    最期、ブロッカーがマーシャルのために歌を唄ってあげ、彼女に安らかな眠りを捧げるシーンは感動的。彼はやっと、彼女に自らの愛を示すことができたのだから。

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    2018/10/02 13:06

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