満足度★★★★★
新宿ゴールデン街標準サイズほどの店内は、ちょっとシックな内装がイイ感じ。
この店に迷い込んだサラリーマン目線の作品かと思いきや、ゲイマスターやお店の常連さん達の日常風景もしっかり描かれた作品でした。
役者さんの感情が自然と役柄に寄り添っているように感じられ、日々面白おかしく生きている姿は、確かに楽しいものであっても、表情や言葉の端々には大人の苦味が滲み出しています。
ひしめく都会のネオンの中だからこそ、ひっそりと賑やかに営まれる小世界に、本来交わる事などなかったはずの若いサラリーマン。
異種なる交流が生み出す酔いの回った楽しき空間から、やがて各々自身を見つめ直す空間へと変わっていく人と人のぶつかり合いには、不器用な愛がいっぱいで、それらは都会に生きる人への応援歌の様に感じられ、心に優しく染み入りました。