満足度★★★★
鑑賞日2018/09/01 (土) 14:00
昨年の初演が好評での再演だが、初演は観てない。2001年のNHK番組改変問題を、下請けのプロダクションの立場から描く、主張の明確な芝居である。「慰安婦」問題を扱う女性国際戦犯法廷の取材を通して、NHK(劇中はMHK)と交渉しつつ、主張ある番組を作ろうとしたプロダクションが、後に政治家の圧力と分かる事情で、番組を変えねばならない状況を、そのプロダクションにいた女性が経営する喫茶店のみを舞台に展開するという脚本の設定は見事で、「正義」の多様性も視座に入れた劇作は巧みだ。ただし、タイトルの意味はやや弱いと思った。