満足度★★★
鑑賞日2018/07/28 (土) 13:00
コリッチの上演予告を何気に観ていて、ストーリーが面白そうだなぁと思って出かけたこの舞台。7月28日、シアター風姿花伝である。
舞台となるのは、売り上げの少ないローカルな自動車修理工場。先代が亡くなり後を継いだ2代目オーナーで元スタント俳優の五賀玲司は、店の改革の一環としてインターン生の受け入れと、有名なYouTuberがMCを務める町内にあるデパート主催のイベントに参加することに。出来るインターン生に刺激されてやる気を起こす従業員達だったが、彼を雇うには店の売り上げが少なく、誰かを首にしなければならないという壁に突き当たり悩む玲司。それに、デパートの優秀な女性店員や自称サプライズ師、それに工場一体の再開発を進め今回のイベントを仕切る女社長などが加わってのドタバタ悲喜劇。結局は工場はなくなることになるが、玲司も、デパートの従業員も、そして開発会社の女社長も、その町を愛していた・・・
実は、こうして粗筋を書いていくと、事前に劇団がサイトに掲載したストーリーと微妙なズレがある。工場の従業員達とサプライズ師が懇意になる過程が曖昧だし、デパート従業員の町や工場への愛着心、開発会社の社長とその部下の交際問題、その部下と工場のインターン生が高校時代の同級生と様々なエピソードを含んだ舞台なのだが、そうしたエピソードが上手く絡み合わずバラバラに並べられただけのような構成に、コメディー作品ではあるが笑いきれない部分が多すぎた。これは、役者の問題ではなく脚本自体に問題があるだろう。もう少し熟成した脚本での公演を望みたい。