満足度★★★★★
演劇を超えた演劇
以前の円盤ライダーさんの口コミであった表現ですが今回もまさにそんな劇でした。
過去にはカフェやホテルラウンジで公演している円盤ライダー、とにかく空間の使い方が上手です。
最早当たり前になってきた感がありますが
特に舞台照明もなく、部屋全体をまんべんなく照らすライト、シャンデリアは豪華で、夜景も綺麗、逆に言えばリアルすぎて演劇空間ではない。当然音楽もなし。お洒落さはあるが、あまりにもリアルな空間すぎて、とても演劇を鑑賞する雰囲気ではない。
お客様は外の景色を撮ったりして、観光地のような新宿が一望出来る27階。
結論から言うと円盤ライダーはこの演劇的には不利な状況を、全て身体ひとつ(まさしく役者の身体のみ)で覆してくれました。
暗転もない、音楽も客入れ時以外全くなし、
舞台と客席の境界は存在せず目の前、後方の夜景、シャンデリア、バーカウンター、とにかく会場のすべてを味方にして役者の熱量で空間を満たしていきます。
役者が力づくで演技の世界へ巻き込み、そして完全に引きずり込んでいく。
ストーリーはもちろん面白いのですが、役者ひとり一人の生きざま、人間そのものを観てくれと言わんばかりのエネルギー。
「こういう演劇を何歩か超えたようなスタイルは何と表現すれば良いのだろうか。
企画力+実現力+演技力そして熱い役者魂。すべてが揃わなければ不可能な公演。お薦めするしかありません。」
この劇団を評したこの言葉が以前にも増してしっくりくる作品でした。
とにかく笑いました、そして泣きました
劇場でない有利、不利、そんな事は関係ないくらいの空間を満たす熱量。
コメディです、コメディですが熱い涙を流せる劇です。
文句なしの満点ですっ!!!