誰も寝てはならぬ  公演情報 国道五十八号戦線「誰も寝てはならぬ 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    絶滅した演劇の化石って、ちょっとみてみたいかも☆
    たとえば漫画の場合だと、その創作の舞台裏を描いた作品に熱い秀作がけっこう多いと思うんですよ。近年でも、日本橋ヨヲコの『G戦場ヘヴンズドア』とか、よしながふみの『フラワー・オブ・ライフ』とか、まだ未完もやまだないとの『ビアティチュード』とかね。あと、熱さということなら島本和彦の『アオイホノオ』か(笑)。

    ところが日本の演劇の場合、個人的には、清水邦夫の『楽屋』あたりを除くと、舞台袖や奈落とかで役者やスタッフたちがドタバタしているだけだったり、作家か書けない書けないとぐちぐち呟いているような作品ばかりという、あまりいい印象がないのだけど(いや、ほんとはいっぱいあるのかもしれないけど…)、この作品は演劇好きをも楽しめる“楽屋モノ”という面白い領域に踏み込んでたんじゃないかなあ♪

    ネタバレBOX

    ただ、だからこそ、きっちり最後に集約し、起承転結という物語の枠組みのなかにしっかりと収まってしまった造りには、少し不満も(←ふつうはそれ、誉めるとこだろ!w)。

    じつはみんな雇われて演じていただけでした、現代の話でした、あなた以外のすべては! というなんとなく坐りのいい結末ではなく、
    ほんとうに演劇が滅んでしまった近未来に、残存する数少ない資料のなかから「演劇」の本当の姿を復元していく、あるいは理想像を模索し創りあげていくていくような話だったら、もっと好みだったのだけど。

    はたまた、
    いま、もてはやされてるタイプの芝居とか正しいと語られている演劇論とかを客観的(主観的でも問題なし!w)に検証し、時代の雰囲気という曖昧なものを除いていって(考古学の強味を活かして)、単にでかくなっただけの頭の悪い恐竜みたいな演劇は死滅するのは当然で、これから繁栄する哺乳類的な新しい演劇はこれだよ! ぐらいの大風呂敷も広げて欲しかったりも。

    まあ、もちろんそんなことは、言葉でいうのは簡単だけど実際に表現するのは異常に大変そうなうえ、結果的には一握りのマニアしか喜びませんでした、なんて大徒労に終わる可能性も高いんだけど(笑)。

    でも、そんな未来の演劇、ちょっと観たくない?

    そう。それほど欲張りなことすら期待してしまうようなポテンシャルを持った戯曲だったかと☆

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    2009/03/07 03:25

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