ヘッダ・ガーブレル 公演情報 project navakov「ヘッダ・ガーブレル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/07/08 (日) 14:00

    価格4,000円

    客席に招き入れられたら、そこがステージだった! ロフトふうの広い空間、客席も舞台もフラット。しかもオシャレな大道具小道具、窓にはふわふわのカーテン、なんだかステキな予感…と、始まる前は浮かれてました。

    だんだんわかってくる人間関係、それぞれの欲望、そしてある小道具がイヤな予感を与える。
    イプセンは前の前の世紀の人。でも普遍的なことを扱っていて、演劇ツウの方がよく「現代劇です!」と言われるわけも、実感できました。

    登場人物は全員、こだわりや悩み、欲望があってデコボコ。その中でヒロインだけがどうも違うカタチをしている…。ひとりだけ、解決法のないことを悩んでいる。
    そんなことが時間の経過とともにわかってくるのはスリリングでした。
    女中役の多田慶子さん、いつもながら面白い俳優さん!
    ベテランの女中さんだから「無駄のない動きをする人」に化けているんですね。ほかの登場人物の「古典の登場人物らしからぬはっちゃけ方」との対比でとても面白かったです。

    ネタバレBOX

    さて。
    出版社づとめのツレがいちばんぞっとしたのは、原稿を落とすところと焼くところだと申しておりました。
    焼くところの演技と演出はすばらしいものでした。ヘッダ、イキイキと輝いてました。
    しかし確かに、あの原稿をもらえたはずの出版社、大量に売れてうるおうはずだった印刷所、書店の立場になると恐ろしいシーンですね。

    もっと素直(?)に恐ろしいのは、最後のせりふですね。ヘッダはみんなからいろんなかたちの愛情を受けながら、だれからも理解されていなかったんだ…。
    「ヘッダよりもずっと苦労し、恵まれてもいない人でも、ふつうは生きていくもの(だからわたしたちも生きていこう)」みたいな一見道徳的な言葉なのですが、ヘッダの立場で聴くと悲しすぎる言葉でした。

    いやあ、どこでどうすれば、ヘッダは幸せに生きていけたのだろう。つい、頭の中で反省会をしてしまいます。だってあそこの家の秘密、同じ高さから、ぜんぶ見ちゃったんだもの。

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    2018/07/09 11:51

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