満足度★★★★
「蒲田行進曲」同様に大きい劇場じゃなければとても納まりきれない弾けた作品。
昔観た映画版の記憶はおぼろげですが、多くの仲間がいたはずの教会陣営に舞台版ではシスターが一人だけで活動しており、自身の意志をそのままストレートに出せる環境の違いがポイントでした。
何より生の芝居、飛び散る迫力、エンターテインメント色の強さに加えて心の内を絞り出す様な台詞の応酬。
役者さんだけでなく、音響・照明さんの仕事量・内容のハードさは通常の舞台の一体何倍?
「愛と憎しみ」「友情と嫉妬」が入り乱れ、繋がり合ったり、敵対したりと関係性の変化を追うのになかなか苦労しましたが、そんな泣き言をいうと「ナ~ニが関係性じゃ!」とたたっ斬られそう。
おそらく真っ新な一度目の観劇よりも、程よく要点をおさえた二度目、三度目の方が、より味わい深く楽しめるのではないかと。
演じる方も観る方も一筋縄ではいかない感じが、つかこうへい作品。パワーの塊です。