あたしのあしたの向こう側 公演情報 トツゲキ倶楽部「あたしのあしたの向こう側」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    再演であるが、劇場が異なると公演の魅力が違って観える。初演の劇場はd-倉庫、天井が高い特長を活かしピラミッドのような立体美術を上り下りするという動作でテンポと躍動感を表していた。今回は客席と舞台が近く臨場感がビンビンと伝わってくる。d-倉庫は客席-舞台に距離があり、まさしく観劇だが、今回の「劇『小劇場』」は役者の息遣いが感じられるほどの至近距離であり、こちらは”感劇”という観せ方になっていた。いずれにしても同じ脚本でありながら演出の違いでこうも印象が異なる作品になるところが(小)演劇の魅力であろう。それを十分に味あわせてくれた公演は素晴らしかった。

    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは中央に交番建物、その中に机が1つ、折りたたみ椅子が3つというシンプルな造作。交番勤務の警察官が科学雑誌を読んでいるところから物語は始まる。

    時空を管理する組織(局)の誤操作により、パラレルワールドが出現する。その結果、現在の私も含め8人(同じ名前のため女1~8という番号で識別、全員が縦縞の洋服)の自分が現れる。私以外の自分の存在が理解できないという不思議感覚。そこで起こるコミカル騒動は、笑いが渦巻くにも関わらず哀切を感じてしまう。選択が違った結果、ベクトルが拡散し勝手な会話(思い出話)になる。過去に選択した結果が今の私...しかし、今の私はやりたいことが分らない(明確にできない)。恋人と思っている人との関係も進展しない。もどかしく思う過去の自分たちが今の私を叱咤激励する。

    女優8人が同一人物であるにも関わらず、個性豊かに”私”もしくは”自分”を演じる。特に女8(前田綾香サン)の存在感には圧倒される。この女優陣を始め、取り巻く登場人物の生き活きとした演技力がこの公演の魅力だと思う。

    時事ネタとして安保法が絡んでくる。初演時は安保法(案)であったが、今回は成立しており成立前後の違いを表す工夫をしている。恋人が自衛隊員で後方支援として海外派遣されているが行方不明になり帰還していない。
    現実には派遣活動に関する日報の紛失(実は存在の隠ぺいか)、さらに憲法論議まで行われている。何となく嫌な風潮の昨今である。その時事ネタをサラッと織り込む深さも巧みである。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/06/05 17:54

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